紅豆杉とは
紅豆杉とは、生命力に富んだ地球最古の高山植物です。2億年も前から大自然の風雪に耐えて生き延びてきたので、「太古の生きる化石」とも呼ばれています。
生命力に富んだ、地球最古の樹木「紅豆杉」
「杉」という字が使われていますが、「スギ科」ではなく、「イチイ(一位)」科の植物。なかでも、樹齢3000年以上のものだけを「白寿を迎えた紅豆杉」という敬意を込めて「白豆杉」と呼んでいます。
さらには、「不老樹」「タキサス」などとも呼ばれ、たくさんの名前をもっています。
中国雲南省など限られた地域の、標高3,300~4,100メートル付近に自生し、平均樹高は21メートル、平均幹周は5.6メートル、平均樹齢は3,000年。なかには、幹周が10メートル、樹齢1万年を超えものまであります。
紅豆杉が自生する場所は、3億年前は海だったようで、土壌にはミネラルがたっぷり。このミネラルを吸収して、たくましい生命力をもつことができたと考えられています。
また、氷河期を生き延びて、本来は高い木が育たないはずの高山に生息するため、抗酸化物質を自ら産生するなど、薬効成分の多い樹木になったとも考えられています。
紅豆杉は世界の樹木のなかでも、最も海抜の高い、過酷な環境の中で生き抜いてきた分、極めて生命力に富んだ樹木だといえるのです。
幻の漢方秘薬だった「紅豆杉」の歴史
中国では2200年以上も前、万里の長城を作ったことで有名な秦の始皇帝の時代から、貴重な王室専用の仙樹として重用されてきました。
始皇帝は「不老不死」を願ったことでも有名で、不老の仙薬のなかに、紅豆杉も名を連ねていたほど。そのため、現代に至るまで一般には、その存在が明らかにされることはなかったのです。
近年、中国政府は、貴重な雲南紅豆杉を絶滅の危機から守るために、国家一級保護植物に指定し、伐採禁止、売買禁止にしてきました。
それだけでなく、終戦直後からは雲南省の高山地域に住む少数山岳民族と協力して、植林事業を行いました。
およそ50年が経過すると、絶滅の危機を脱したと判断して、さらなる植林事業と研究推進のための予算を捻出するために米国と日本にのみ、例外的に限定輸出することとなりました。
学術研究も進み、健康食品として商品化
紅豆杉は50年もの間、売買が禁止されていたので、それまで活発な研究は行われていませんでした。
ところが、1998年に輸入が開始されると、研究は盛んになり、現在では多くの専門機関で代替医療や臨床観察が行われ、続々と学会発表もされています。
さらに、お茶やサプリメントとして商品化されていて、癌・リウマチ・糖尿病などの治療にも取り入れられるようになっています。