紅豆杉の働き
リウマチに対する紅豆杉の働きを解説しています。
リウマチの原因、サイトカインとは?
リウマチとは、自己免疫疾患といわれる膠原病の一種です。
免疫は本来であれば、外部から侵入した菌やウイルスなどの異物からカラダを守るはたらきをします。
ところが、何らかの原因で間違った命令が出されると、自分自身の細胞や組織を異物とみなして攻撃してしまいます。
間違った命令を出してしまうのは「サイトカイン」という物質。関節の炎症や痛みを引き起こす原因、「免疫グロブリン」の働きにも関与しています。
サイトカインにはいろいろな種類がありますが、リウマチの炎症部分では、「IL-1」「IL-6」「TNF-α」が増加していることがわかっています。
リウマチの治療に紅豆杉が効果を発揮
リウマチの原因とされている「サイトカイン」の働きを抑える薬は開発されているのですが、副作用が大きな壁となっています。
現在使われている中心的な薬剤は、
- 免疫の異常にはたらきかける「抗リウマチ薬」
- 痛みや炎症を抑える「非ステロイド性抗炎症薬」
- 免疫の働きを抑制する「ステロイド剤」 です。
いずれも、胃腸障害や肝機能低下、貧血、骨粗しょう症などの副作用があり、結核や肺炎、悪性リンパ腫などの重大な副作用が起こることも報告されています。
そこで注目されているのが、紅豆杉です。紅豆杉の「消炎作用」は、関節のこわばりや腫れ、痛みといった炎症を抑えてくれ、リウマチの疼痛緩和に特異的な効果が得られるほか、炎症を引き起こす原因「サイトカイン」を正常化することも明らかにされています。
もちろん、天然成分である紅豆杉には副作用はありません。それどころか、薬による副作用も軽減してくれるのです。
マウス実験で確かな改善が見られた紅豆杉
「紅豆杉の関節炎モデルラットに対する作用とADL評価法の開発」という論文に、ここで紹介している「紅豆杉」が有効ということが証明されています。[注1]
端的に説明をすると、関節炎を起こしているマウスに紅豆杉を用いたら確かな改善が見られたということです。以下より、もう少し掘り下げて説明をしていきます。
関節の炎症を起こさせスコア式で評価
評価方法は、関節に炎症を起こさせたマウスに紅豆杉を投与し、その活動をチェックする方法になります。当然、炎症がひどければマウスは動くことができません。
これを0点とし、活発に動くほど点数を高くし10点満点で評価します。結果、時間差はあれど、すべてのマウスに改善が見られ2週間後には6点以上のマウスが続出しました。ここからも改善が見られたと言えます。
炎症マーカーとの測定結果とも一致し有効と判定
ただ自然に回復したという可能性も捨てきれません。そこで並行して、炎症マーカーも測定し、その数値の動きも見て評価に妥当性があるのか?をチェックしています(既存の炎症を改善する薬を投与してマーカーの動きをチェックする)。
結果は、もちろん炎症マーカーも同様の測定結果となり、満足のいく改善が見られたと結論づけられています。